2016年08月30日

La Leggenda del pianista sull'oceano

軽やかなピアノソロ。

きれいな瞳と愛らしい唇の、
魅力的な少女に恋をして、
生まれた美しい旋律。
爽やかな朝。
潮風になびく髪。
船窓を鏡にして、
少女は彼に気づかない。

ふっと彼女が消えた淋しさ、
デクレシェンド。
次の窓にまた現れた、
リタルダント。
フェルマータ、
主旋律最後の音と同時に、
横顔のまま、
少女がフレームアウト。

円形の船窓には海と、
ピアノの音だけが残る。



こんな印象的な美しいシーンには、
なかなか出逢えない。

有名な映画「海の上のピアニスト」で、
私がいちばん好きなシーン。

いや、
今まで観た映画の中でも、
いちばんかもしれない。

暗い船室の中でピアノを弾く、
主人公の天才ピアニスト1900。
陽差しの眩しい甲板からは、
船室の中は見えず、
少女が船窓を鏡にして髪を直す、
その姿に1900が一目惚れをする。

1900は、
目に入った人のことをイメージして、
即興で作曲するのが得意なんだけど、
そのシーンでは、
少女のイメージというより、
自分の感情を無意識に表して弾いていたと思う。
だから、
彼女の姿が消えたり現れたりの一喜一憂が、
その曲に現れている。

映像とピアノのメロディがぴったりマッチした、
とてもとても美しいシーンなのだ。

解ってくれる人がいるだろうか・・・。

某SNSでこの映画のファンが集まり、
どのシーンが好きか語る掲示板があった。
印象的なシーンの多い映画なので、
色々な意見があったけど、
このシーンを挙げたのは私1人。

何ヶ月か経って、
ようやく賛同者が1人だけ現れたかな。

人気があったのは、
海が荒れて船が揺れる中で、
1900がピアノを弾くシーン。
ピアノの脚のストッパーを外し、
船の揺れに任せて広間や廊下を滑っていき、
嵐の夜なのに、
なんだかとても楽しそうだった。

・・・って、
台風が来てるのに、
こんな話題は不謹慎なんですが。

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